心因性勃起不全の予防のために

勃起不全には、器質性のものと、機能性(心因性)のものがあると言われています。
器質性のものとは、勃起に関わる神経や組織、血管等の生物学的な組織の機能障害によるものを指し、多くは加齢によるもので、場合によっては、外科的手術の後遺症として現れます。
それに対して、機能性(心因性)のものは、精神的な原因、ストレスやトラウマ等の何らかの心理的な原因により十分な勃起が得られない場合を指し、若年層にも多く見られるとされています。

このような機能性(心因性)勃起不全の原因となるストレスやトラウマの元となる出来事としては、パートナーが執拗にセックスを要求してくる、自らが望まない相手のとのセックスをしなければならない状況にある、女性にレイプされた、近親者のセックスを目撃した、近親者のレイプを目撃した、避妊したにもかかわらずパートナーが妊娠したなど、様々なものが考えられるとされています。
これらの事由は、ある意味、自らそのような事態を避けることができない場合が多く、予防ということ自体が観念しにくいものです。そこで、もっぱら対処療法による症状の改善をはかるしかないと考えられます。

このようなある意味外圧的原因に対し、機能性(心因性)勃起不全の原因となりうる他の事情として、刺激に対する鈍感化が挙げられます。
これは、刺激に対して慣れてしまうことによる性的興奮度の低下を原因として勃起不全になるケースです。
人間の脳は、ある刺激が継続して与えられると、それに対する感覚がその刺激がはじめて与えられた時よりも、段々と鈍くなっていく傾向があります。そして、強い刺激を受けると、それよりも弱い刺激についてはあまり敏感に反応しなくなります。脳のこの機能により、人間は、痛みに耐えたり、トラブルへの対処をより効率よく行えるようになるのですが、勃起不全に関しては、この機能はマイナスに働くというわけです。

つまり、はじめは、一定の性的刺激により十分な性的興奮を得られていたものが、継続的に刺激を受けているうちに、次第に感覚が鈍化していき、性的興奮を得られなくなるというわけです。勃起は、性的興奮により促進されますから、性的興奮の度合いが下がることで、十分な勃起が得られないという状態が生じます。

これは、セックスがマンネリ化するという表現をされる状態です。よく妻では勃起しないが、浮気では勃起するという話がでますが、これも妻に対する性的刺激に鈍化している人が相手が変わることで性的刺激を強く受け、性的興奮が高まった状態になることを示しています。

このような通常のマンネリ状況の場合、セックスするシチュエーションを変えるとか、いわゆるコスプレをするなど、普段のセックスと違うことをすることでそれまでと違う性的刺激を受け、勃起不全が改善することが知られています。
これは、普段の性的刺激と違う刺激、あるいは普段の性的刺激よりも強い刺激を受けることが勃起不全の改善につながるということです。

ところが、これは、普段の刺激が高すぎると、このような改善方法は難しいということでもあります。
これが逆に機能性(心因性)の勃起不全になりにくくするための手掛かりとも言えます。
つまり、あまり強い性的刺激のあるセックスを普段から続けていると機能性(心因性)の勃起不全になりやすく、さらにその症状を改善しにくいということです。
たとえば、カーセックスは、誰かに見られるかもしれないという状況が強い性的刺激になると言われます。そこに強い性的興奮を感じる人がこれを続けると、やがて、その刺激に慣れ、もっと人目に触れやすいところでセックスしないと性的興奮を得られなくなり、それが普段のセックスでの勃起不全につながっていくことになります。
これは、インターネットの普及で、強い刺激的なセックス映像を若いうちから観ることが、若年における勃起不全の一因となることとも整合します。

したがって、普段のセックスにおいて、あまり刺激的なセックスばかりを繰り返さないことが、機能性(心因性)勃起不全を防止するのに有効であると同時に、勃起不全になった場合に改善しやすいということになります。
若いうちから刺激物をとるのが脳に悪いのは、何も食品だけではありません。若いうちは、とかく刺激的なセックスを熱望するものではありますが、長い目でセックスライフを考えるならば、過度な刺激を求めすぎないことも必要だというわけです。

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